「あの子との“差”は、脚の付け根だった。」

2025年06月02日 05:49

あの子との“差”は、脚の付け根だった。

――昔から、人に頼るのが苦手だった。
「大丈夫?」って聞かれても、つい「平気」って言ってしまう。
自分の足で立ってなきゃって、そう思ってた。

でも――
最近、その“足”が、重すぎる。

脚の付け根。
なんか、ずっと詰まってる感じ。
歩くだけで、体がうるさい。
考えすぎて、立ち止まる。
動けないのは、気持ちだけじゃなかった。

そういえば昔は、よく言われてた。
「灰かぶりとキャラかぶってるよね〜」って。
冷静で、距離感あって、周りに頼らない感じとか、たしかに似てたかもしれない。

でも最近、それを言われなくなった。
不思議に思ってたけど、この前、街であの子を見かけたとき気づいた。

……足、細っ。
しかも、歩き方が軽い。シルエットがまるで違った。

――そこから、落ち込んだ。

たまたま知り合った子がいた。
最近まで冷えや股関節の違和感に悩んでたって言ってたから、なんとなく気が合って。
その子が連れてってくれた、とあるお店。
正直、最初はちょっと警戒した。
でも、施術が始まってすぐ「あ、コレ本物だ」って分かった。

脚の付け根。
ずっと張ってた場所が、ゆるんでいく。
なんか、内側の流れが変わる感じ。
頭じゃなくて、体が軽くなるって、こういうことなんだって思った。

帰り道、歩きながら気づいた。
あの重だるさが、消えてる。
視界がちょっとだけ広くなった気もした。

会計のとき、連れてきてくれた子の紹介ってことで、ちょっと割引きしてもらえた。
「助かります」って言って、ふと彼女の方を見ると――

彼女、うつむいてニヤニヤしてた。

……きっとワタシを紹介したことで、彼女にもメリットがあるのだろう。

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